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オトノワ+コトノハプロジェクト 第39回公演「OSAKA」に向けて 

~稽古場インタビュー Vol.1

 

オトノワ+コトノハ プロジェクト 第39 回公演「Osaka」に向けて、目下絶賛稽古中のオトコト代表のお二人、ありが薫(作・演出)さんと、
冴理(音楽監督)さんに、オトコトのコンセプト、今回の公演について聞いてみました

── 今回第39回目の公演を迎えるにあったって、いまさらなカンジではありますが、そもそもの"オトノワ+コトノハプロジェクト(AKA:オトコト)"の成り立ちと、コンセプトを おしえてください

 

冴  理:話せば6時間ぐらいになるので、ショートカットしてお伝えしたいと思います。

 

── はい、ぜひ短めでお願いします(笑)。

 

冴  理:最初(自分の)ライブでダンスをしてもらってたのが、ありがちゃん。

 

ありが:冴理ちゃんのライブのバックダンサーみたいなのをさせてもらってたんですけど、そのうち冴理ちゃんもお芝居をしていたということが判明し・・・

 

── 歌だけではなく?

 

冴  理:昔・・・*。                                                                   *学生時代に演劇をされていたそうです。

 

ありが:お芝居も共にやりたい上に、音楽もやりたいというので、で、いっぺんにできるものは作

れないかと・・・。

 

冴  理:で~わたしも、ミュージカルを観ていて、わざとらしいのがすごい嫌で、お芝居とうまく音楽がコラボできることが出来たらいいなぁと思って、やり始めたのがきっかけだったんだけど、オトコトの第一回目なんかは、エッセイみたいなものをありがちゃんが読んで、合間にその関連する歌を歌うっていうのが・・・最初だったんだよね?

 

ありが:そう、だから・・・

冴  理:あたしセリフ言わなかったもん。

 

ありが:そう、だからあのぉ、女の人同士の内緒話しみたいなのに・・・

 

冴  理:ガールトーク*から始まったの、最初。          *記念すべき第1回目(2008/5/7)の『オトノワ+コトノハ』公演(エッセイ朗読と弾き語り)。

 

ありが:内緒話しみたいなのに、それに合う歌が来て、そんでまた、内緒話があって、合う歌があるっていう交互に・・・

 

── 最初はお二人だけだったと?

 

冴  理:3人! (もう一人)めめちゃんが。  

 

── おぉ! さらにめめさんがダンサーで入っていらして・・・

 

冴  理:そうそう、だからめめちゃんはセリフを言わないで、踊りだけだったり、ポーズをとってたりで、わたしはピアノ弾き語るみたいな・・・。

で、後半がライブ、普通のライブで、ミュージシャンがでてってカンジが、最初だったんだよね。

 

ありが:だから、最初はこう今みたいにぶわーって混ざってるわけでもなかった。

 

── なるほど、初期はみなさんそれぞれの担当がパッキリ、きっぱり別れていて、さらにライブのみの部があるというスタイルの、

二段構え・二部構成だったんですね。それが今やみなさんもう垣根なく*、何でもやられるカンジで(笑)                                 *見境いなく?

 

冴  理:もう、もう(みんなごちゃまぜで)The お芝居! な感じ。

 

ありが:前はもう持ち場は持ち場だったから、歌は冴理ちゃんしか歌わなかったし。

 

冴  理:エッセイはお互いに出し合ったりとか、ま、大体書いてきてもらったりとかしてて。

それだったら、何の曲がいいかな? って話し合って、これ、もしかして(合う曲は)これかな?みたいな・・・。

 

ありが:うん。

 

冴  理:逆にこの曲が合うからそれでやってちょうだいって言われたり・・・するのが3回目(の公演)くらいまで続いて、ちょっと、じゃあセリフ言ってみようか ? ・・・みたいなことから始まった。

 

── では、今のようなお芝居仕立てというか、構成されたストーリーありきという形になったのは?

 

冴  理:なったのは・・・6回目ぐらい?    

     

ありが:なんか、オムニバスみたいな感じになってんだよね、最初は全部。 ものっすごい短いオムニバス。

 

冴  理:そそ、これってさ、そそそ、あとでこれ(資料)あげるけどー・・・(資料を広げて出す)2008年5月7日(前述のガールトーク)がスタートだったんだよ。

 

ありが:わぁ~(2008年への遠い目)。

 

え~ なかなか感慨深いお話になってまいりました。ですが、このあたりで心を鬼にして、話題を無理やり変更します。

 

── では、(唐突に)今回の公演についてうかがいます。

大阪出身のありがさんは、今回のフライヤー(公演のチラシです)のイラストもご自身で描かれていらして、すごく温かみのあるイラストで素敵だと思うんですが・・・。

 

冴  理:ねーー、かわいいよねぇーーーー。すごい大好き。

 

ありが:いやいや、もうねぇー・・・ ありがとうございます!

 

── 今回、タイトルに「Osaka」とつけ、さらにご自身でイラストをかかれた作品への思い入れというか、実際のありがさんの体験や記憶ですとか、そういうものが盛り込まれているところがありましたら、おしえてください。

 

ありが:わたしあのー、今回は、今までずっと自分の中にあるのに出せなかった物を出しました。体験したこともしてない事も。

で、それをやっぱり・・・

 

ありがさん、ここからガッツリ大阪弁にならはりましたで

ありが: なんか、すごいエネルギッシュなものっていうか、"生きる力"みたいな、力が先に来てほしいっていうか・・・悲しいとか、うれしいとか、そういうことよりも、生きる力みたいなのが先に来てほしかったの。

 

── なるほど・・・。ではそういったありがさんの作品への想いを踏まえて、音楽監督である冴理さんが、劇中で使用する曲の選曲を、どんな風にされているのかをおしえてください。

 

冴  理:選曲~・・・選曲は、やっぱり作品のイメージだから、どんなカンジのが欲しいの?って逆に聞いたりとか・・・聞いて、今回はロックテイストで!みたいな 

カンジで(指定を受けて)、色々ね、調べて・・・

元々わたしもヘビメタやってた*から、ちょっと今回(の選曲は)燃えてますけども(笑)やりたかった!! みたいなね。                      *いずれ、当時の写真など見せてもらいましょう。

 

── ロックテイスト! といっても、まぁ沢山あるわけじゃないですか?  その中から今回はコレ! と選ぶポイントは、ずばり冴理さんの好きなものということでしょうか?  

 

冴  理:好きなものもあるし、あとはありがちゃんから「絶対コレ!!これ歌ったらむくからーっ!!」みたいなので、推される*(笑)                                               *ゴリ押し的な?

 

ありが:ぶぶーっっ(笑)

ありが:Move Over*はねー、あたしすごい前から歌ってほしかったんですよ。     

*ご存知、Janis・Joplin姐さんの代表曲

── おー、そうなんですか?

じゃあ、ありがさんの好みで「この曲で!」っていう指定もされたりして、それがない時は、冴理さんの好みでっていう?

 

冴  理:そそそそそそそ。

 

ありが:物によったら、冴理ちゃんの方から、この曲ありきっていうので、「この曲は歌いたいから!」っていうので、逆の時もある。

 

冴  理:この前の「トイレット」の時みたいに、もう谷山浩子しかやりたくないから!*(笑)

っていう時もあんの。                         *そ、それは・・・

ありが:だから、一回ごとにちょっと違う。

 

冴  理:違うね。で、(今回は)ちょっと懐かしいロックだから、ヘビメタっていうよりは、ちょっとロックン・ロールとか、そっち側で。

今回だから、カルメン・マキはちょっとロックって言われて、古い感じでっつったら・・・なんかどれか入れたくって、それでちょっと入れさせてもらった。

 

── お二人は、演出や音楽のディレクションをする立場と、キャストとして出演される立場と二つあるわけですが、両方をやることによって気づいたことがありましたら、教えてください。切り替えの仕方ですとか・・・。

 

ありが:わたしはー、あのー、役者さんだけで出してもらってる時って、ほんっっとに、自分のことしか考えていない。

 

── (爆笑) 

 

ありが:・・・って今になったら思うんですけど、今はとりあえず全部のことは考えるようになりました。

昔は場がモットーだったんですけど、(今は)没頭はできない。うん。

全体的にスピードが落ちてるとか、今あっちよりこっちの方(立ち位置)がいいのに、もうちょっとこっちの方こないかなとか、色んなことを思うから、あんまり没頭できない。全体的なことをみるようにはなりました。それが一番違うかな? 自分の時は、役のことしか考えてない。ものっすごいダメな人だったと思う(笑)。

 

── (爆笑) 冴理さんはどうですか?歌の時とお芝居の時との違いですとか・・・。

 

冴  理:あーどうだろう、逆にあたし、”片方しかやったことがない”がないからー、音楽監督だけ(担当する)とか、こっち(演出側)に(だけ)いることがあんまりな い。ただ、あの、全部自分が歌えば楽だけど、他の人とか、美由紀ちゃんが歌ってくれるとかって、おもしろいよね。

あの~、誰かに「こういう風に歌って。」って言ったときに、自分が歌ったらこうなんだけど、他の人が歌うことによって逆に(世界が)広がることがある。

 

── 「へー、こうやって歌うんだ~」という発見のような?

 

冴  理:ふふふ(笑)。わたしには出せないフレッシュさ(笑)とかー、おもしろさとか、そこらへんはね、すごい見てて勉強になるし、それは逆に広がるよね。

わたしだけが歌う人じゃないっていうことは、色んな人が歌うってことは。

あと(今後)は、ありがちゃんみたいに全体的に曲のバランスも見ていけたらいいなって。

── 歌う時と演技する時とで、表現としての共通点、もしくはここがもの凄く違うと感じるところはありますか?

 

冴  理:あ、それは、脚本のすばらしさなのかわかんないんだけど*(笑)、すごく自然に歌に入れる役だし・・・。  *はい、きっとそうだと思います。

結局(普段)ライブで歌ってても、例えばジャズなんか(聴いてくれている)人が(歌詞の内容を)わかんないじゃん?

そうすると、その曲を集中して聴いてもらえるようにMCするわけ。ってことは、前ふりのセリフと同じなのよね。

ライブの時のMCと、やっぱりそこ(演技から歌に行く)までの設定のセリフが、どう自然に(歌に)導入されるかは、やっぱ同じだから、逆にその、お芝居やってすごくライブに生きることが多いなぁって思ってます。

 

ありが:なんかこう、割と"歌"って・・・、"歌"に自分を落とし込む感じちゃう? そうでもない?

 

冴  理:あーー

 

ありが:芝居って・・・、なんか、"役"を自分に落とし込む。(歌と)逆な感じがちょっとあるわたしには。 "役"を(自分に)入れるのと、"歌"があって、そこに自分を入れこむっていう・・・。

 

冴  理:どっちもあるかなぁーー・・・。逆にわたし、"役"をやる時、自分の中の何かをこっち(外)側に出していく感じだから。

"役"を落とし込むじゃないから、うまく出来ないことも多いんだけど。なんか、(自分と)全然違う人をやってた時に、自分との共通点探しというか・

 

ありが:まぁまぁ、それは自分にあるもんしか出されへんよな。

 

冴  理:だから、そこは(自分にとってはどちらも)同じような気がするんだけどな。

(自分が観に行く立場の)お芝居の中で、BGMで曲が鳴った時に、今まで我慢してた涙が、(曲がきっかけで)「ゔぁーーーーーっっ!!」みたいなるのが音楽の凄さかなって・・・。「すごーい」と思うかな・・・。

 

ありが:瞬発力高いよね。

 

冴  理:高いよね(笑)。

 

ありが:芝居って観てなあかんやん、ずっと。

 

── ストーリーの流れがありますもんね。

 

ありが:うんうん。で、音楽はやっぱり瞬発力高いなぁ~。で、なんかそういうのって、そういう気質ってあるよね(笑)?ミュージシャン気質、役者気質ってやっぱ ちょっと違うから。

冴  理:あ~・・・。

 

ありが:そういうので、毎回なんかな、お互いに・・・うんうん、アレっ? ? (笑) みたいなの・・・。

 

── あはははは(笑)

 

ありが:「そこ! そんなんちゃうんちゃう(笑)? みたいな。

 

冴  理:あはははは(笑)

 

ありが:それがー、それが、おもしろくてやってる。

 

冴  理:同じだとおもしろくないよね。1+1が2にしかなんないから。

 

ありが:でも圧倒的にね、打ち上げがね、あの~どろどろするのは芝居で、爽やかなのが、ミュージシャンやと思う。

── (爆笑)。冴理さん、本当でしょうか?

 

冴  理:っていうか、爽やかな打ち上げしか出てないからわかんない(笑)

 

── (笑)

 

ありが:爽やかな打ち上げが、ミュージシャンの打ち上げ。

どろどろした打ち上げが、芝居の打ち上げ、(出演者の原 美由紀さんに向かって) な? そやんな?

そんなんあるよな?

 

  原  :爽やかな打ち上げが、ミュージシャンの打ち上げ? ? (笑)。

 

ありが:あるいは、打ち上げじゃなくてミュージシャンの飲み会と、役者の飲み会(笑)。

 

冴  理:昔から、楽曲も提供してて、芝居もやってたから、あんまり役者役者してこなかったかもしれない。

へぇ~、そうなの? (役者飲み会は)どろどろしてるの? 勉強になりました。

 

── (爆笑)。

今度是非見せて頂きましょう。では、最後! (やはりここは無理やりまとめます)すごくありがちな質問ですが、今回の公演の見どころを願いします。

 

ありが:見どころは、あれでしょ? もうあたしたち3人の姉が頑張った上での、末っ子 花 (原さん)の最後のすばらしい台詞です!!

                  

冴  理:んふふふ❤(笑)

 

── えーと、では、ありがさんイチオシの、今回の見どころは「原 美由紀さん」ということで(笑)。

それでは冴理さんは?

 

冴  理:最初の頃って、それこそ第1回とか第2回とか、自分たちに溜まっていたもの、どろどろしたものを吐き出してたんだけど、

それが、段々作品になってきて、原石がダイヤモンドになってきたし、包み紙もつけて~みたいな・・・。

 

ありが:ちょっとあたしたちも、磨き方がわかってきたな(笑)

 

冴  理:人の心に直球(でメッセージ)が出せる作品になってると、わたしは思う。そこがオトコトの魅力だと思います。

 

── 最後にお客様へのメッセージをそれぞれお願いします。

 

ありが:絶対みてほしい! *                                   *え?もうちょっと骨のあるコメントじゃなくていいですか?(笑)。

 

冴  理:今回一緒に泣いて笑える作品になってます!

 

── ありがとうございました!

ありが 薫(ありが かおる) / プロフィール:

演出家・女優・ダンサー・アナウンサー。大阪府出身。

 

夢の遊眠社をはじめ、小劇場から商業演劇まで様々な舞台に参加。

コマ劇場・青山劇場などの舞台に立つ。

同時にダンサーとして紅白など歌番組に出場、ミュージカルの振り付けも手がける。

モデルとしてコシノミチコのショーにも参加。

現在、音楽・ダンス・芝居のとけ合う新しい形を目指し、「オトノワ+コトノハ」プロジェクトの進行・脚本を手がける。

ナレーター、ヨガインストラクターとしても活動中。

 

 

冴理(さえり) /プロフィール:

ミュージシャン、ジャズシンガー・作詞家・作曲家。仙台出身。

「ジャズ批評No.112号」の「岩浪洋三のジャズ日記」 において「ユニークな新人」として紹介されるなど、

ジャズシンガーとして都内を中心に精力的にライブ活動、およびアルバム製作を行う。

現在、作詩曲家としても活動中。著作権協会会員。

冴理オリジナルのアルバム製作の他に、バンダイナムコ『エコはじめ』、石井慶子『歌に抱かれて』、

よしみ『薄氷~うすらい~』、宮淑子『愛という名の暴力』『ピロートーク2/3』などの楽曲を提供している。

オフィシャルウェブサイト:http://saeri.club/profile.html

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